相続がおきるとお金がおろせなくなるから、今のうちに多めに用意しておかないいけないのでは・・・。
そんな心配ありませんか?
相続がおきても、それだけで口座が凍結することはありません。
また預貯金債権の払戻し制度を利用すれば一定の金額であれば単独でおろすことができます。
相続は一生の間に何度も経験することではありませんから、知らないこと、分からないことだらけだと思います。
正しい情報で安心の相続に備えましょう。
こちらのページがお役に立ちましたら幸いです。
、2023.07.21終活30秒講座vol.169より
相続が発生すると銀行の口座が凍結されてお金がおろせなくなるかも!?
ということで、万が一の費用を慌てて引き出すという話をしばしば耳にします。
しかしそのようなことはありません。
役所から銀行に連絡がいき銀行が相続の発生を把握する、ということはないのです。
故人のご家族などから知らせない限り、銀行が相続について知ることはありません。
ですので相続後であっても、キャッシュカードを使って被相続人の口座からこっそり預金を引き出すことはできます。
しかしそれは、他の相続人の方々との間で誤解が生じかねません。
かといって、生前にまとまったお金を引き出すと、税務署から脱税行為と疑いをもたれる可能性がありますので注意が必要です。
では被相続人の口座から堂々とお金をおろすにはどうすればいいかというと、
一定の金額であれば預貯金債権の払戻し制度を利用して、払い戻しを受けることができます。
預貯金債権の払戻し制度は、相続人の資金需要に迅速に対応できるようにするため、各相続人がそれぞれ預貯金の3分の1に法定相続分を乗じた額を、金融機関1か所につき150万円を限度に、おろすことができる制度です(民法909条の2)。
具体例とともにでご説明します。
【事例1】妻が単独でおろせる金額はいくら?
預貯金:X銀行普通預金300万円
X銀行定期預金240万円
相続人:妻と子が2人
妻の法定相続分:2分の1
● 妻が単独でおろせる金額は
普通預金 300万×1/3×1/2=50万
定期預金 240万×1/3×1/2= 40万
50万+40万=90万円
【事例2】妻が単独でおろせる金額はいくら?
預貯金:X銀行普通預金600万円
X銀行定期預金1,200万円
Y銀行普通預金720万円
相続人:妻と子が2人
妻の法定相続分:2分の1
● 妻が単独でおろせる金額は
X銀行普通預金 600万×1/3×1/2=100万
X銀行定期預金 1,200万×1/3×1/2= 200万
Y銀行普通預金 720万×1/3×1/2=120万
(ひとつの銀行あたりの上限が150万円なので)
150万(X銀行)+120万(Y銀行)=270万円
払戻しをうけるためには、預貯金の名義人が亡くなった事実、相続人の範囲、法定相続分が分かる資料の提示が必要となります。
具体的には以下の戸籍類が必要です。
●預貯金の名義人の出生から死亡までの戸籍一式
●相続人全員の現在の戸籍
この預貯金の払戻し制度では不十分という場合は、お早目に相続手続きを経て遺産を分けていただくことになります。
相続手続きに欠かせないのが遺産分割協議書です。
次に遺産分割協議書の書き方とひな形を次にご紹介します。
遺 産 分 割 協 議 書
被相続人:横浜太郎(令和6年3月1日死亡)
最後の住所:神奈川県横浜市中区海岸通り〇丁目〇番地〇
最後の本籍 :神奈川県横浜市中区海岸通り〇丁目〇番地〇
上記被相続人の遺産について、同人の相続人全員において分割協議を行った結果、各相続人が次のとおり遺産を分割し、相続することを決定した。
1.相続人:横浜花子が取得する遺産及び負担する費用
(1)土 地 ※1
所 在 横浜市中区海岸通り〇丁目
地 番 〇番〇
地 目 宅 地
地 積 〇〇.〇〇㎡
(2)建 物
所 在 横浜市中区海岸通り〇丁目 〇番地〇
家屋番号 〇番〇
種 類 居 宅
構 造 〇造〇〇葺〇階建
床 面 積 〇〇.〇〇㎡
(3)預貯金債権、信託受益権、出資金、株式・公社債等の有価証券、共済・保険契約に関する権利、その他の債権及びその他の資産など、被相続人の有する全ての金融資産の〇分の〇
(4)被相続人の未払債務及び葬儀費用並びに遺産整理に伴う一切の費用
(5)本協議書に記載なき遺産及び債務費用等
2.相続人:横浜一郎が取得する遺産
(1)預貯金債権、信託受益権、出資金、株式・公社債等の有価証券、共済・保険契約に関する権利、その他の債権及びその他の資産など、被相続人の有する全ての金融資産の〇分の〇
以上のとおり、相続人全員により遺産分割協議が成立したので、これを証するため本書2通を作成し、各自1通を保有する。
令和 6年 4月 10日
相続人 住 所 横浜市中区海岸通り〇丁目〇番地〇
氏 名 横浜花子 実印 ※2
相続人 住 所 横浜市泉区泉町〇丁目〇番地〇
氏 名 横浜一郎 実印
※1 不動産の表記は、登記簿謄本の通りに記載します。
※2 署名捺印は、上記のように一枚の遺産分割協議書に各相続人が順にしていきます。相続人が遠方で持ちまわすのが大変な場合などは、同じ書面を相続人の人数分用意し、一枚につき1人ずつ署名捺印することもできます(→遺産分割協議証明書)。
遺産分割協議書には他にもさまざまな書き方があります。
ひな形をこちらのページで多数ご紹介しております。
参考になさってください。
相続手続きは沢山の書類作成と、調べものの連続です。
役所に足を運び、戸籍の種類を調べて請求、定額小為替を購入し、宛名書きをし、協議書の書き方を調べて作成・・慣れないことばかりで、段取りよく手続きしないと全部終わるまで1年近くかかることも(;^_^A
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また相続手続きに欠かせない書面である遺産分割協議書の書き方について詳しくご説明いたします。
相続は一生の間に何度も経験することではないだけに、何から始めていいのか分からないという方がほとんどです。
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