包括遺贈と特定遺贈

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遺贈寄付には二つの方法があります。

きまった財産を遺贈する特定遺贈、お一人様向けの包括遺贈があります。状況により、最適な方法を選ぶことが大切です。

包括遺贈と特定遺贈

遺贈寄付には、包括遺贈と特定遺贈の2つの方法がありますのでそれぞれご説明いたします。

包括遺贈

「包括遺贈」とは、「全ての財産を遺贈する」とか、「全財産の2分の1を遺贈する」のように、財産全体について割合を指定して遺贈する方法です。


その財産を受ける個人や法人は包括受遺者と言います。

包括遺贈は割合による財産の遺贈ですから、遺言書作成後に財産に変動があっても大丈夫です。

ただ民法では「包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有する」と定めています(990条)。
つまり包括受遺者は単に財産を受け取るだけではなく、相続人とほぼ同じ立場になるのです。

ということは、包括遺贈者は、お亡くなりになった方に借金があれば、それも引き継ぐことになります。

また仮に借金の方が多く、相続放棄したいということになれば、期限内に裁判所で相続放棄の手続きをする必要があります。

 

特定遺贈

これに対して特定遺贈は「○○銀行の定期預金を△△に遺贈する」のように、財産の一部を特定して遺贈する方法です。

財産を特定しているので遺言書作成後に財産に変更があった場合は対応できませんが、特別なことがない限り債務を負担することもありません

また放棄をしたい場合は、相続人にその意思を伝えることでいつでも放棄できます。

特定遺贈と包括遺贈の事例検討

 

 

 

包括遺贈と特定遺贈、それぞれを遺贈寄付に当てはめてどんな感じか検討したいと思います。


お子さんのいらっしゃらない方が「全ての財産を○○団体に遺贈する」という遺言書を作成されました。

これが包括遺贈の遺言書である場合は、
○○団体は包括受遺者となり、遺言者の全財産を承継します。

しかしもし借金があれば、それも引き継ぐことになります。

○○団体の側からすると有難い反面、不安感もあります。

ですので、包括遺贈で遺言書を作成する場合は、事前に受遺者に相談するのが望ましいと思います。

 


このように包括遺贈には注意すべき点があるのですが、次のようなメリットもあります。

お亡くなりになった方(被相続人)に相続人が全くいない場合は、相続財産管理人を選任する必要があります。しかし包括遺贈されている場合は相続人不存在にはあたらないため、相続財産管理人の選任が不要となり、手間・費用の面で受遺者にとってメリットといえます。

 

また、法定相続人にとって都合が良い場面もあります。

例えば遺贈される財産の中に不動産があり、売却することになったとします。
不動産を売却し利益がでると譲渡所得税が課税されることがあります。
そしてこれは受遺者ではなく相続人が負担することになります。

つまり不動産は遺言によって遺贈されてしまい相続人が継承しない場合でも、その譲渡所得税は負担するというおかしなことになってしまうのです。

このような事態を避けるためには包括遺贈が好都合です。

包括受遺者は、相続人と同じ権利と義務を有しますので、包括受遺者が譲渡所得税を負担することができ、法定相続人が負うことがないようにするためです。


このように包括遺贈にはいろいろと難しいこともありますので特定遺贈が一般的です。

しかし遺言書を作成後も財産の状況は変わることはありますので、遺贈の目的である財産が遺言者の死亡時になくなっていると、特定遺贈では遺贈の効力を生じません(民法996条)。

そのため財産状況が変化した場合でも対応できるようにするには、金額や預金口座を特定するのではなく、「金融資産の10分の1を遺贈する」などと書くのがコツとなります。

 

 

遺贈寄付の事例のご紹介

遺産を全てお世話になった教会に包括遺贈することにしました。

Y市のHさん(80代男性)

子どもがいないので、自分の帰天の後は預貯金は全額お世話になった教会で使ってほしいと思っておりました。しかしいつ帰天するか分からないし、それまでは自分の暮らしもあるのでどうすればいいのか分かりませんでした。また高齢の妻が施設に入所しており、自分が先立った場合のことも悩みでした。

グレイスサポートさんに相談したところ、亡くなった後に残された財産を寄付する遺贈寄付というやり方があることを知りました。また遺贈を受けた教会に、残された妻の経済的な面倒を頼むこともできることが分かりました。

妻に毎月一定額を送金してもらうことを条件に、自分の遺産を全て教会に包括遺贈する内容の公正証書を作成しました。要望がかない、心配事も無くなってとても安心しました。

遺贈寄付で夫の遺志を受け継ぐことができました

K市のMさん(70代女性)

昨年夫に先立たれ、夫の遺産を全額相続しました。しかし私たち夫婦には子どもがなく、私が亡くなった後の財産の行方が気がかりでした。

グレイスサポートさんに相談したところ、自分が亡くなった後に残った財産を寄付することができると知りました。

夫は生前、恵まれない子どもを支援する団体を応援していたので、私が亡くなったら財産は全額その団体に包括遺贈することに決め、公正証書を作成しました。夫の遺志を受け継ぐことができ大変満足しております。

財産を大切なペットたちのために遺贈寄付しました

S様は愛犬といつも一緒に暮らしてこられました。S様にとってペットは大切な家族の一員です。

しかし中には捨てられてしまったり、つらい境遇のペットたちも沢山いることに心をいためておられました。

S様にはお子さんがなく、財産を遺す相手がないので、遺産はペットの保護をしている団体に寄付したいとのご意思でした。

財産には不動産も含まれておりましたので包括遺贈とし、グレイスサポートを遺言執行者に指定していただき、売却などの清算事務を当方で行い、現金化して団体にお渡しできるようにしました。

自筆証書遺言の案文をご用意し、清書していただきました。ご一緒に法務局に預け、ほっと一安心なさったようでした。

遺贈寄付をご検討なら

包括遺贈寄付の相談を受ける様子

グレイスサポート代表の松下です。
あなたのお悩みをお話ください。

遺贈寄付は、ご自身がお亡くなりになった後に、ご遺産から寄付をする方法です。

近年社会貢献意識の向上から寄付をご検討なさる方が大変多くなっております。一方で長寿社会でいくらお金を遺せるか目途が立てられないという問題もあります。

しかし遺贈寄付であれば、無理のない寄付することが可能です。

遺贈寄付は遺言で行いますが、遺言には厳格な方式があります。また遺言執行者も必須となりますので、ご検討の方は専門家にご相談なさることをお勧めいたします。

グレイスサポートでは尊いご意思の実現を、豊富な実績に基づきお手伝いいたします。

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