家族信託は、将来の財産管理の不安に備えて、あらかじめ信頼できる家族に財産の管理を委ねる仕組みです。
こちらのページでは、家族信託の概要と、一般的な活用例から応用的な手法までをご紹介しております。
家族信託とは
「家族」を「信」頼し財産を「託す」ことです。
高齢の方の財産管理を家族に任せることができ、さらに法定後見のように第三者の介入を必要とせず、また管理に制約を設けられることもありません。
報酬の支払いも原則的に不要です。
家族信託はこの高い自由度があるために、高齢者の財産管理のためだけでなく、
共有不動産の管理や次々世代への資産の承継など、さまざまなケースで利用が可能となっております。
今回は家族信託の登場人物と典型的な事例についてご紹介いたします。
家族信託に登場するのは次の3者です。
【委託者】財産の所有者で誰かに財産の管理を任せたいと思っている人
【受託者】財産の管理を委託者から任された人
【受益者】受託者が財産を管理することで恩恵を受ける人
典型的な例は、「自分が認知症になって介護施設に入ることになったらこの口座から費用を支払ってほしい」というような場合で、委託者と受益者は同一人物になります。
下の図のようなイメージです。
2021.4.16『終活30秒講座』vol.52より
遺産の円滑な承継のために遺言書の活用をお勧めしております。
遺言書で、誰にどの財産を承継させるか指定することができるからです。
実は家族信託でも同じことができます。
しかも遺言書で指定できるのは次に承継する者までですが、家族信託ではなんと、次の次まで指定することができます。
下の図のようなイメージです。
例えば財産を代々自分の血族に承継させたいけれど、長男には子どもがいないので長男の次は長女の子どもに承継させたいという場合、
前回ご説明した受益者を【自分】→【長男】→【長女の子ども】とする家族信託契約を締結します。
このような信託を受益者連続信託といいます。
長男が一旦相続した財産は、何の対策もしなければ長男が亡くなるとその妻に、
妻亡き後は妻の兄弟や甥姪など妻の血族に継承されることになってしまします。
そのような事態を防ぎ、自分の血族に財産を継承したい場合にこの受益者連続信託が使えるのです。
2021.4.23『終活30秒講座』vol.53より
お一人暮らしの方が家族信託を活用する事例についてご紹介いたします。
自宅にお一人でお住まいのご高齢の方の中には、どこかのタイミングで自宅を売却し施設に入所することを検討なさっている方が少なくないと思います。
自宅の売却は大仕事ですし、それにもし認知症になると売却することが不可能になってしまいます。
このような事態に備えるのに家族信託が有効です。
下の図は「自分が介護施設に入ることになったら自宅を売却して入所費用に充ててほしい」
という場合に、自宅を家族に信託するイメージです。
なお上記の例は、お一人様といっても、離れて暮らすご家族がいる方の事例になります。
頼れるお身内がどなたもいない方の場合は家族信託よりも、専門家と任意後見契約を締結し備えるのがおすすめです。
2021.4.30『終活30秒講座』vol.54より
遺言信託をご存じですか?
銀行の窓口では遺言信託のパンフレットをよく目にします。
この銀行の遺言信託は銀行が公正証書遺言の作成を支援するとともに遺言書を保管し執行をするというものです。
日ごろからお付き合いのある銀行に、遺言書の作成や執行を任せるのは安心感があると思います。
ところでもう一つ、別の遺言信託があります。
この遺言信託は信託法に基づく制度であり家族信託の一種です。
家族信託の設定にはいくつか方法があり、契約によるほか遺言によっても家族信託が設定できるのです。
遺言で行うということは、その効力は生前ではなく死後に生じることとなります。
家族信託は、認知症による資産の凍結回避の手段としてご紹介することが多いですが、
効力が生じるのが死後では認知症対策にはなりません。
遺言信託の目的は自らの認知症対策ではなく別のところにあります。
遺言信託の目的は遺された家族の暮らし対策です。
生計に心配のある家族の財産管理を信頼できる別の家族の誰かに託したい場合に検討する方法となります。
2021.11.12『終活30秒講座』vol.82より
超長寿社会の日本では資産の認知症対策が必要です。またお一人様も急増しており、暮らしの手続きをサポートする専門家が身近にいると安心です。
日々の暮らしや将来に不安のあるご高齢の方、また離れて暮らす親御さんが気がかりな働き世代の方、グレイスサポートにどうぞお気軽にご相談ください。
グレイスサポートは豊富な実績に基づき、最適なプランをご提案いたします。
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