自筆証書遺言では「財産については○○にまかせる」「相続のことは○○にまかせる」という記載が時々見受けられるようです。
この「まかせる」ですが、財産を遺贈する、という意味なのか、それとも単に手続きを任せるという意味なのか、解釈が難しいです。
「まかせる」の言葉をめぐっては、実際に裁判になっており、判例が複数でております。
昭和61年の東京高裁の判例では、「『まかせる』という言葉は、本来、「ことの処置などを他のものにゆだねて、自由にさせる。相手の思うままにさせる。』ことを意味するにすぎず、与えるという意味を全くふくんでいない」として、財産の遺贈と認めるには足りないと判示しました。
(東京高裁昭和61年6月18日)
一方で、「すべてまかせる」と記載されている自筆証書遺言について、遺産を遺贈する趣旨の遺言と判断した判例もありますが、
(大阪高裁平成25年9月5日)
「まかせる」遺言のような、あいまいな遺言書はおすすめできません。
財産を譲りたい場合は「相続させる」ないし「遺贈する」とお書きください。
こちらで有効な遺言書の具体的な書き方と文例をご紹介します。
参考にしていただけましたら幸いです。
下記に基本的な書き方の一例をご紹介します。参考にしていただけましたら幸いです。
遺言書
遺言者 書き方太郎は、次の通り遺言する。
1.遺言者は遺言者の有する次の財産を遺言者の妻書き方花子(昭和20年3月3日生)に相続させる。 ※1
(1)土地 ※2
所在 横浜市遺言書区文例通一丁目
地番 ○○番○○
地目 宅地
地積 200平方メートル
(2)建物
所在 横浜市遺言書区文例通一丁目○○番地○○
家屋番号 ○○番○○
種類 居宅
構造 木造合金メッキ鋼板ふき平屋建て
床面積 50平方メートル
2.遺言者は、遺言者の有する次の財産を、遺言者の長男書き方一郎(昭和50年1月2日生)、遺言者の次男書き方次郎(昭和53年2月3日生)に各2分の1の割合で相続させる。
(1)預貯金
遺言銀行 要件支店 普通預金12345
文例銀行 要件支店 普通預金23456
3.遺言者は、この遺言の執行者として次の者を指定する。※3
横浜市遺言書区書き方1-23
行政書士法人遺言書事務所
令和4年3月3日 ※4
横浜市遺言書区文例通一丁目○番地○
書き方太郎 印 ※5
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