相続人になるはずの人が先に亡くなるなどした場合、その相続人になるはずだったの人の子が代わって相続人となることを代襲相続といいます。
誰が相続人になるか、民法で次のように順番が決められております。
こちらの表でご確認ください。。
常 に:配偶者
第1位:子
第2位:親
第3位:兄弟姉妹
上記の相続人のうち、代襲相続するのは子と兄弟姉妹です。
子や兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は、その子(被相続人からみた孫や甥・姪)が相続人となるのです。
被相続人の子が先に亡くなっている場合は代襲相続します。
今は100歳の人口が8万人以上いる大変な長寿社会です。そうすると相続人である子が70歳位で先に亡くなる、というケースもありえるでしょう。その場合は、先に亡くなった70歳の子の子、つまり孫が代襲相続により相続人になります。
○が相続人
お子さんのいない方が亡くなった場合は、兄弟姉妹が相続人になるケースが多いですが、同世代ですと、その兄弟姉妹が先に亡くなっているという場合も少なくないと思います。
そのような場合は、その先に亡くなった兄弟姉妹の子、つまり甥や姪が代襲相続により相続人となります。
○が相続人
何代先まで代襲相続するかは、子と兄弟姉妹で異なります。
【子(直系)の代襲相続】
何代先までも代襲相続します。
【兄弟姉妹(傍系)の代襲相続】
甥姪の代までです。
代襲相続では、元々の相続人の相続分を代襲相続人が等分に相続することになります。
被相続人:太郎の元々の相続人である兄弟姉妹が先に亡くなっていたとして、
弟次郎の息子A男と妹花子の娘B子とC子が代襲相続する場合相続分は、
等しい立場の甥と姪ですから3分の1ずつになりそうですが、
A男の相続分は2分の1
B子、C子の相続分は4分の1ずつとなります。
(被相続人)
横浜太郎
(元々の相続人とその法定相続分)
横浜太郎の弟 横浜次郎:1/2
横浜太郎の妹 川崎花子:1/2
(代襲相続人とその法定相続分)
横浜次郎の子 A男:1/2
川崎花子の子 B子:1/4
川崎花子の子 C子:1/4
相続手続きでは、まず相続人を確定するところから始めます。
相続人の確定のために、戸籍を請求し記載を確認します。
代襲相続で甥姪が相続する場合、必要となる戸籍の種類は次の通りです。
令和6年3月にスタートした戸籍の広域交付制度により、直系の戸籍は最寄りの役場でまとめて請求できるようになり、大分便利になりました。
ただ傍系の戸籍はひきつづき各自治体に請求する必要があります。
甥姪は傍系です。
甥姪が代襲相続する場合に必要となる戸籍は以下の通りです。
● 甥姪が代襲相続する場合の必要戸籍
1、被相続人の出生から死亡までの謄本
2、被相続人の父母の出生から死亡までの謄本
3、被相続人の祖父母の死亡を確認できる謄本
4、被相続人の兄弟姉妹の出生から死亡までの謄本
5、相続人である甥と姪の謄本
こちらは、相続人が亡くなった方の2人の姉の子ども達、長女の子どもが3人と次女の子どもが2人となる代襲相続の代行手続きをお受けしたときに集めた戸籍の写真です。
大変な数になりました。
膨大な戸籍を集めて相続人を確定したら、次は遺産をどのように分けるかのお話し合い(遺産分割協議)をします。
いとこの間柄となりますと、日頃のお付き合いはあまりなく、当事者だけで遺産のお話は難しいでしょう。
多くの場合は民法で決められている相続分の目安である法定相続分をベースに話合うことになると思われます。
なお代襲相続では、元々の相続人の相続分を代襲相続人が等分に相続することになりますので、前述の通り同じいとこの立場であっても法定相続分は等しくなりません。
先ほどの長女の子ども3人と次女の子ども2人が相続人になる事例ですと、
法定の相続分は長女の子ども達は1/2を3人で分けるのでそれぞれ1/6。
次女の子ども達は1/2を2人で分けるので1/4ずつとなります。
(代襲相続人)
長女の子:A子 B子 C子
次女の子:D子 E子
(それぞれの法定相続分)
A子 B子 C子 : 1/6
D子 E子 : 1/4
いとこ同士ですが、法律通りに分けると等しく1/5とはなりませんのでご注意ください。
なお法定相続分はあくまで目安であり、話合いでまとまれば、法手相続分通りでない分け方も可能です。
例えばいとこそれぞれが1/5ずつとすることも可能です。
遺産の分け方が決まったら、遺産分割協議書を作成します。
下記に遺産分割協議書の書き方の一例をご紹介します。
遺 産 分 割 協 議 書
被 相 続 人 ひな形太郎(昭和11年11月11日生)
死 亡 年 月 日 令和〇年〇月〇日
最 後 の 本 籍 神奈川県鎌倉市○○町○○番地
最 後 の 住 所 神奈川県鎌倉市○○町○○番地
上記被相続人ひな形太郎の遺産につき、同人の相続人全員において分割協議を行った結果、下記に記載する遺産を含む、被相続人ひな形太郎の有する全ての遺産を、相続人である書き方A子、書き方B子、書き方C子が6分の1ずつ、文例D子、文例E子が4分の1ずつの割合で相続することを決定した。
(1)不動産
土 地
所 在 鎌倉市○○町
地 番 ○○番
地 目 宅地
地 積 167.51㎡
建 物
所 在 鎌倉市○○町○○番地
家屋番号 ○○番
種 類 居宅
構 造 木造亜鉛メッキ鋼板葺平屋建
床 面 積 58.83㎡
付属建物 種 類 物置
構 造 木造亜鉛メッキ鋼板葺平屋建
床 面 積 14.5㎡
(2)金融資産
預貯金債権、出資金、株式・公社債等の有価証券、共済・保険契約に関する権利、その他の債権及びその他の資産など被相続人の有する全ての金融資産
以上のとおり、相続人全員による遺産分割協議が成立したので、これを証するため本書を作成する。
令和 年 月 日
相続人 住 所 鎌倉市〇〇町〇丁目〇番地〇
氏 名 書き方A子 実印
相続人 住 所 鎌倉市〇〇町〇丁目〇番地〇
氏 名 書き方B子 実印
相続人 住 所 鎌倉市〇〇町〇丁目〇番地〇
氏 名 書き方C子 実印
相続人 住 所 逗子市〇〇町〇丁目〇番地〇
氏 名 文例D子 実印
相続人 住 所 逗子市〇〇町〇丁目〇番地〇
氏 名 文例E子 実印
遺産分割協議書は書き方が厳密に決められているわけではありません。
一般的には以下の項目を記載します。
●被相続人(亡くなった方)の氏名
●死亡日
●最後の住所、本籍
●誰が何を相続するか
●相続人全員で話し合って合意した旨
●作成年月日
●相続人全員の署名捺印(実印)
遺産分割協議書の詳しい解説はこちらのページでご紹介しております。
是非参考になさってください。
遺言書がない場合、相続手続きは相続人のお話合いから始めることになり、長く煩雑な道のりとなりがちです。
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