法定後見人は、被後見人の財産を守ることが任務となります。
そのためまず遺産分割協議においては法定相続分を必ず確保することになります。
また遺産分割協議がまとまり相続手続きが完了しても、法定後見は終わりません。
ご本人の認知症が治るか、お亡くなりになるまで続きます。
そしてその間、ご本人の財産を守り続けます。
もしご本人が悪質な訪問販売や次々販売で不要なものを購入してしまった場合は法定後見人は購入を取り消しすることができ、払ったお金を取り戻すことができます。
認知能力が低下すると、買ったことを忘れて同じものを何度も購入してしまうこともしばしばあるので
この取消権は法定後見の強みと言えます。
しかし同じくご本人の財産を守るという観点から、例えばお孫さんに入学のお祝いなどでお金を包んであげることや、贈り物をすることなどは認められません。
趣味のコレクションや旅行にお金を使うことも認められないそうです。
このような法定後見人ですが、対策をとらずに認知症になってしまうと、財産管理には法定後見しか選択肢がありません。
そのためには早目の認知症対策が大切です。
2021.03.19『終活30秒講座』vol.48より
法定後見利用のきっかけは、下図のようになっております。
上記の通り、成年後見の申し立て動機の1位は「預貯金の管理・解約」です。
銀行に行って、認知症気味の親の預金を代理で解約や引き出しをしようとした際に、「成年後見人をつけください」と銀行から言われて、成年後見を考えられる方が多いようです。相続がきっかけになるケースは第5位となっております。
法定後見では、一定以上の財産がある場合、親族は後見人になれない可能性が高く、つまり家族以外の他人が入ってきてその他人の成年後見人が本人の財産を管理します。
上記の通り、8割近くが親族以外でそのほとんどは弁護士、司法書士などの専門家です。
後見人の使命は本人の財産を守ることです。そのため本人の財産を減らす行為は許されず、
極端な例では孫にお小遣いを渡すこともままならなくなります。
そしてこれら職業後見人選任された場合、報酬が発生します。
基本報酬は管理する財産の額により、以下の通りです。
1000万円以下・・・・・・・月2万円
1000万円~5000万円以下・・月3~4万円
5000万円以上・・・・・・・月5~6万円
また不動産を売って施設に入る手続きなど特別な行為をした場合は、売却価格の数%が付加報酬として支払われれることになります。
そしてこの法定後見は一度開始すると本人が亡くなるまでやめることはできません。
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