遺言書というと、高齢者や特別の資産家の方のもの、という印象がありますが、そのようなことはありません。
遺言書は、財産の分け方をあらかじめ決めておく法的な文書であり、亡くなる直前に書くものではありません。亡くなる直前に書く文書は「遺書」で、遺言書と名前は似ておりますが全く別のものです。
いつ何があるか分かりませんから、家族に責任のある立場の方には是非遺言書を書いてほしいと思います。
なぜかというと、家族を扶養している方に万が一のことがあった場合、もし遺言書がないと相続手続きが大変煩雑になるからです。
次に、遺言書がある場合とない場合の相続手続きの流れについて解説します。
遺産相続とは、人が亡くなった場合に、その人が有していた全ての財産上の権利義務を、一定の身分関係にある人が継承することをいいます。
亡くなった人を被相続人といい、財産を継承する人を相続人といいます。
遺産の相続は、被相続人が亡くなった時に開始します(民法882条)。
遺産の相続には3通りあります。
1.被相続人が遺言書を遺していた場合は、遺言書の指示により遺産を相続します。
2.遺言書がない場合は相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で相続します。
3.もし遺産分割協議で合意が得られない場合は、裁判所の調停・審判で遺産を分けます。
一般的に相続手続きという場合、相続人全員の話合いで遺産分割協議書を作成し、遺産を相続する一連の手続のことをいいます。相続手続きは、遺言書がない場合は遺産分割協議という相続人全員の話合いで、誰がどの遺産を継ぐか決めるところから始まります。
相続人には次のとおり法律で決められた順番があり、結婚しお子さんがある方は、配偶者とお子さんが相続人となります。
常 に:配偶者
第1位:子
第2位:親
第3位:兄弟姉妹
しかし子が未成年者の場合は、その子は単独では遺産分割協議ができません。
そのため、未成年の子に代わって遺産分割協議を行う代理人を立てる必要があります。
通常未成年者の代理人は親権者ですが、家族の相続手続きの場面で、子と親権者が共に相続人となる場合は外形上、子と親権者の利害が対立する関係にあります。
そのため特別に代理人を選任する必要があるのです。
この特別代理人は親戚の方などに依頼することになると思われますが、家庭裁判所に申し立てをし選任される必要があります。
子が複数ある場合は、それぞれにこの特別代理人を立てる必要があります。
しかしもし遺言書があれば、遺産分割協議が要りません。
したがって上記のような手続きも不要となり、相続手続きが大分円滑になります。
そのため現役世代の方にも、万が一にそなえて遺言書を用意しておいていただきたいと思うのです。
現役世代の方の遺言書は、あくまで万が一に備えてのものですから、気軽に書ける自筆証書遺言がおすすめです。
内容も下記のようにシンプルなもので充分だと思います。
自筆証書遺言であればご事情の変化に応じて書き直すことも簡単です。
遺言書
1.私は私の有す全ての財産を、妻山田花子(生年月日)に相続させる。
2.私はこの遺言の遺言執行者として、妻山田花子を指定する。
令和4年8月2日
横浜市遺言書区書き方通り1-2-3
山田太郎 印
もし少し余裕があれば、用意した自筆証書遺言は法務局に預けておけばより安心確実でお勧めです。
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