遺品整理はいつから始める?
タイミングや手順を紹介

更新日:2024年11月18日

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「遺品整理はいつから始めればいいの?」

 

遺品整理を始めたいけど、いつから始めればいいのか最適なタイミングがわからないという方も多いのではないでしょうか。

結論からいえば、遺品整理は心が落ち着き、自身が始めたいと思うタイミングで始めて構いません。

しかし、あらかじめ遺品整理の日程を考えることで心の整理がつきやすくなるメリットがあるので、いつから始めるかと考えることはおすすめです。

遺品整理を始める場合、一般的な開始タイミングは以下の3つがあります。

● 葬儀後すぐ

● 葬儀2週間後

● 四十九日法要後

四十九日が終わって以降でも問題はございませんが、この3つが遺品整理を始めるタイミングとして区切りがつけやすいといえるでしょう。

この記事では、遺品整理を始めるタイミングや、実際に始める際の手順についてご説明します。

いつから遺品整理を始めればいいのかお悩みの場合、ぜひご参考ください。

 

遺品整理は基本的にいつから始めても構いません。

基本的に、遺品整理を始めるタイミングは以下の4通りです。

● 葬儀後すぐ(葬儀後1週間以内):急ぎで整理をしなければいけない場合

● 亡くなって2週間後:役所手続きと併せてすべてひとまとめで終わらせたい場合

● 四十九日法要後:葬儀の一区切りとして始めたい場合

● 四十九日以降:心の整理がついてからじっくり始めたい場合

これらはどれも「一番オススメ」というタイミングはなく、時間と心の都合がつくタイミングで始めるのが最善です。

ここでは、これら4つのタイミングについてご説明します。

早ければ葬儀の後から始める

遺品整理は、最速で葬儀直後からはじめても問題ありません。

葬儀後すぐに遺品整理を始める場合、以下のケースが考えられます。

賃貸物件の退去日が近い

死亡後も賃貸契約は継続するため、賃料は発生します。

また、退去日が決まっている場合、それまでに遺品整理をしなければすべてゴミとして処理される可能性もあります。

遺族が海外在住で滞在期間が短い

遺族が海外在住で滞在期間が短い場合、形見分けや遺品整理の分配で連絡がつきにくくなります。

そのため、すぐに遺品整理を行い、形見分けをする必要があります。

 

基本的に、葬儀後すぐに行うのは急がなくてはいけないという理由であることが多いです。

葬儀後すぐに行うメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット :遺族が集まっているので遺品整理について相談しやすく、形見分けもすぐに行える。

デメリット:葬儀後は役所手続きや香典返しの準備など非常に慌ただしい。

もし、遺品整理を葬儀後すぐに行うのであれば、一人ではなく、家族や親戚に相談し、協力してもらいましょう。

保険や年金関連の手続きが必要な10日~2週間後から始める

故人の別れの一区切りとして、亡くなって2週間後に遺品整理を始めるという方は少なくありません。

遺品整理はいつから始めても問題はございませんが、2週間以内に役所に届け出を出さなければいけない書類があります。

 
書類 期限
死亡届

死亡日から7日以内

(国外で死亡した場合、死亡を知ってから3ヶ月以内)

年金受給権者死亡届

国民年金:死亡日から14日以内

厚生年金:死亡日から10日以内

国民健康保険脱退届

住民票の抹消届

死亡日から14日以内

これら事務手続きを行いつつ遺品整理を行うのは非常に煩雑なため、これら手続きを終えたと同時に遺品整理を行うことで、遺品整理に集中しやすくなります

 

死亡2週間後に遺品整理を行うメリット・デメリットは以下のとおりです。

 

メリット   :書類を出し終えたあとに遺品整理を行うため、スムーズに作業をひとまとめで行える。

デメリット:休みなく作業を行うため、疲労が溜まりやすい

四十九日までに他の作業をすべて終わらせたい場合、このタイミングが効率的です。

ただし、書類の確認作業の量が膨大になるので、記載漏れによる再提出などがないよう、書類の準備は慎重に行いましょう。

 

四十九日法要後に始める

四十九日の法要後は、精神的にも作業的にも一区切りつくので、遺品整理を始めやすいタイミングです。

四十九日は遺族も再び集まるので、遺品整理について相談しやすく、作業の協力もお願いしやすいです。

四十九日後に行うメリット・デメリットは以下のとおりです。

 
 

メリット   :遺族が再び集まるので相談しやすく、

                     精神的にも書類手続きも一段落しているので集中しやすい。

デメリット:葬儀後と比べると、参列する遺族が少なくなる可能性がある。

葬式と比較した場合、住んでいる場所的に四十九日は不参加となる遺族が増える可能性はありますが、全てにおいて一区切りがつくので非常に良いタイミングです。

遺品整理をいつから始めるにしても、無断で行うとトラブルのもとになるので、きちんと話し合いの場所を作り、納得してもらってから遺品整理を始めましょう。

 

四十九日法要後の気持ちの整理ができてから行う

四十九日法要が終わって1ヶ月以降に遺品整理を行っても問題はございません。

遺品整理に期限はなく、気持ちの整理がどうしてもつかない場合、踏ん切りがつくまでそのままにするという事もできます。

ただし、できれば10ヶ月以内には遺品整理をすることをおすすめします。

というのも、遺品の中には相続税の申告手続きが必要なものが含まれている可能性があるからです。

申告が遅れた場合、延滞税や加算税といったペナルティが課され、相続税が割増になってしまいます。

四十九日1ヶ月後以降に遺品整理を行うメリット・デメリットは以下のとおりです。

 

メリット   :十分気持ちが落ち着いてから行える。

デメリット:他の親族の確認に時間がかかる

どうしても自分で行えないのであれば、誰かに遺品整理の手続きや日程を組んでほしいとお願いするのも有効です。

誰かが決めて行うことで、それが心の整理につながることもあります。

遺品整理は、協力し合って行いましょう。

 

遺品整理は相談、決定、実行の三段階で始める

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遺品整理を行う際、次の三段階をもとに行います。

● 相談:遺品整理の日程や内容を話し合う

● 決定:遺品整理を自分たちで行うか業者に一任するかを決める

● 実行:相談し、決定したことを実行する

特に相談を慎重に、納得できるまで行うことで、遺品整理は非常にスムーズに進み、トラブルの発生も防げます。

ここでは、遺品整理の三段階についてお話します。

 

親族と相談し遺品整理の準備を行う

遺品整理について親族と相談し、役割分担や日程、遺品の扱いについて話し合いましょう。

話し合う内容をまとめると、以下のとおりです。

 
話し合う項目 内容
役割 誰が何を担当するか。
業者への依頼 遺品整理を自分たちで行うか業者に依頼するか。
費用 遺品整理を業者に依頼する場合、あるいは自分たちで行う場合、費用は誰が負担するか。
遺言の確認 遺言書はあるか、ある場合内容に遺品について書かれているか。
遺品の分配 形見分けで欲しいものはないか、不要なものは供養するか。
日程 いつから遺品整理を開始するか。
特に、費用や遺品の分配は納得するまで話し合う必要があります。
 
話し合って解決すれば、相続に関するトラブルや費用の支払いなどで揉めることはありません。
 
相談は、遺族が集まる葬儀やお通夜だと直接意見を言いやすいのでおすすめです。
 

遺品整理を自分たちで行うか業者に依頼するかを決定する

相談を終えた後、遺品整理を自分たちで行うか、業者に依頼するかを決定しましょう。

遺品整理を自分たちで行うか、業者に依頼するか、それぞれを比較すると以下になります。

 
    自分たちで行う 業者に依頼する
費用   掃除用具や梱包材の費用のみ 数万円~数十万円(遺品整理の量や内容によって変動)
時間と労力   非常にかかる 一任できるのでかからない
作業効率   未経験者のみだと悪い 良い
遺品整理を自分たちで行うか業者に一任するか悩んでいる場合は、以下のポイントを確認し、該当するものが多ければ業者に依頼しましょう。
 
・遺品量が多い
・家具や家電など大型の遺品が多い
・仕事や家事などで忙しく、時間を取れない
・遺品の中に貴金属や骨董品など、専門的な知識が必要な品物がある
・費用はどのくらいかかるか
・自分たちで整理するのが精神的につらい

すべてが決まったら遺品整理を実行する

相談し、すべて決まったら遺品整理を実行しましょう。

比較内容からわかるように、自分たちだけで遺品整理を行う場合、メリットになるのは費用が安上がりになることのみです。

費用に関しても見積もりを取ったあと、遺族で分配して出し合えば大幅に節約できるので、遺品整理は業者に一任したほうが良いでしょう。

自分たちだけで行う場合、日程にずれが生じる可能性があるので、1~2日ほど余裕をもたせたスケジュールを組めば、余裕を持って遺品整理を行えます。

 

遺品整理を自分たちで行う場合の手順

遺品整理を自分たちで行う場合、分類を主に行うことになります。

具体的には、以下の手順です。

 

1. 遺品を必要なものと不要なものに分ける

2. 不要なものは売却できるものとできないものに分ける

3. 処分するものはそのまま処理するか供養するかを決める

これらを分け終えた後、処分したあとに家の掃除を行えば、遺品整理は終わりです。

ここでは、この3つについて説明します。

 

​遺品を必要なものと不要なものに分類する

最初に、遺品を必要なものと必要ないものに分け、必要なものをすべて確保します。

必要なものは、土地の権利書や通帳といった相続に関わるものや、残された遺族が引き継ぎたい、残しておきたいと思うものです。

これら以外は一旦不要と判断し、分別しましょう。

その際、必要なものは段ボールか何かに入れておき、分かる場所においておくと、後で確認しやすくなります。

 

不要なものは売却できるものとできないものに分類する

 
残った不要なものの中で、売却できるものとできないものに分別します。
 
例えば、宝石類や衣類、骨董品など、生前趣味で集めていたものの中には値打ち物がある可能性があります。
 
しかし、誰も不要と判断した場合、それは処分するのではなく、リサイクルショップに買取ってもらいましょう。
 
遺品整理業者の中には、そういった不要品の買取を代行してくれる業者が多いです。
 
その場合、作業費が買取価格を差し引いた金額となるので、大幅に作業費が安くなる可能性があります。
 

遺品整理を業者に依頼する場合は
業者選びを慎重にする

遺品整理を業者に依頼する場合、信頼できるかどうかを重視して依頼しましょう

遺品整理業者の中には実績や経験が不足しており、作業内容がずさんな業者も存在します。

そのため、費用よりも使用できるかどうかを見極め、依頼するのが失敗しない遺品整理業者選びのコツです。

信頼できる遺品整理業者かどうかの見極めは、以下を確認しましょう。

・遺品整理業者の資格を取得している。

・ホームページで費用を明記しており、見積もり後に追加で費用が発生しないことを明言している。

・手順やサービス内容についてわかりやすく説明してくれる

これら3つをクリアしていれば、質の高い遺品整理を行ってくれます。

遺品整理業者に依頼するメリットとデメリット

 

遺品整理業者に依頼する前に、メリットとデメリットを知りましょう。

簡単にまとめると、遺品整理業者に依頼するメリット、デメリットは以下のとおりです。

 
メリット
時間と労力の節約

遺品整理の他、大きな荷物の運搬や掃除といった時間と労力のかかる作業をすべて一任できる

精神的な負担の軽減

遺品の確認の際に故人との思い出が蘇り、作業に遅延が生まれるといった事態をなくせる

専門的な知識の活用

専門的な知識が必要なものも適切に対応してくれるので、自分たちで行うより遺品整理の失敗が少ない
デメリット
費用がかかる

数万円から数十万の費用が発生する

業者選びの手間

信頼できる業者を探すのに時間と手間がかかり、精神的な負担が若干かかる

 

業者に依頼することで、金銭的な負担や信頼できる業者かどうかという不安が発生しますが、この2つはある程度対処が可能です。

 

費用に関して配属全員で費用を分割すれば大幅な節約になりますし、業者選びも上記の内容を遵守して選ぶことで、悪徳業者に依頼するリスクは大幅に減らせます。

また、知り合いに信頼できる業者がいるかを相談するというのも対処法の一つです。

失敗しないためにも、きちんと相談は行いましょう。

 
 

まとめ

 
この記事では、遺品整理をいつから始めるのか、タイミングごとの解説や、遺品整理の手順について紹介しました。
 
遺品整理はこころの整理がついてから行えば問題ありませんが、必要な手続きや他の遺族との連携の兼ね合いも考慮しなければなりません。
 
自分一人で抱え込んで考えるのではなく、皆で悩み、解決策を探しましょう。
 

行政書士法人松下崎山事務所
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