遺言書と死因贈与

遺言は、遺言者が予めご自分の財産を継承する相手を決めておくものですが、似たようなものに死因贈与があります。遺言との違い、メリットデメリットをご紹介します。

死因贈与とは

 

死因贈与は、死亡を原因として贈与を行うことです。

遺言は遺言者(遺言書を書く人)が一方的に行う単独行為であるのに対し、死因贈与はあげる側、もらう側の合意にもとづく「契約」であることが大きな違いです。

 

遺  言:単独行為

死因贈与:契約

死因贈与のメリットとデメリット


死因贈与は契約であることによるメリットがあります。一方デメリットもありますのでご説明します。

死因贈与のメリット


【厳格な方式が無い】

死因贈与は契約であるため、遺言のような厳格な方式はありません。

口約束でも成立します。もっともトラブルを避けるため、契約書は作成する方が望ましいです。

パソコン書きでも構いません。遺言の場合は公正証書にしない限り本文全文を自筆する必要がありパソコン書きは無効なので、パソコン書きOKのメリットは大きいと思います。


【確実に財産を渡すことができる】

契約はやめるにも双方の合意が必要です。一方的にやめることはできないため、贈与者が亡くなると受贈者だけで契約をなかったことにはできません。したがって確実に財産を渡すことができます。


【相続税の対象となる】


生前の贈与と異なり、贈与税がかからず、相続税の課税対象となります。相続税の方が贈与税より大概税率が低いです。

 

死因贈与のデメリット

 

【登録免許税が高くなる】

相続に比べ登録免許税が高くなります。

相続の場合は固定資産税評価額の0.4%に対し、贈与の場合は2%です。



【不動産取得税がかかる】

相続で不動産を取得しても不動産取得税は課税されませんが、贈与の場合は課税されます(固定資産税評価額の3%)。
 

死因贈与がおすすめの場合


このような死因贈与契約は、確実に財産を渡したい場合におすすめの方法といえます。

ご事情に応じご検討ください。

こちらに死因贈与契約書の一例を記載します。参考になさってください。
 

死因贈与契約書


死因贈与契約書

贈与者○○(以下「甲」という。)と受贈者○○(以下「乙」という。)は次のとおり贈与契約(以下「本件贈与契約」という。)を締結する。

第1条 甲は、その有する別紙財産目録に記載する財産(以下「本件財産」という。)を乙に贈与することを約し、乙はこれを承諾した。

第2条 本件贈与契約は、甲の死亡によって効力を生じ、これと同時に本件財産の権利が乙に移転する。

 

令和〇年〇月〇日

甲 住所

氏名             ㊞        

乙 住所

氏名             ㊞

 

財産目録

(1)土地  

所在 横浜市遺言書区文例通一丁目   

地番 ○○番○○

地目 宅地

地積 200平方メートル

(2)建物

所在 横浜市遺言書区文例通一丁目○○番地○○

家屋番号 ○○番○○

種類 居宅

構造 木造合金メッキ鋼板ふき平屋建て

床面積 50平方メートル

(3)預貯金

横浜銀行 横浜支店 普通預金 番号12345

 

負担付の死因贈与契約

 

財産を誰かに遺すのに、ただ渡すのではなく遺産を受け取る条件として何等かの負担を求めたい場合もあると思います。

たとえば自宅を贈与するから、母親(つまり自分の妻)と同居してほしいというような場合や、

預貯金を贈与するから、障害を持つ兄弟の世話をしてほしいというような場合です。

このような場合は、贈与契約書に条件(負担)を付けて書くこともできます。

遺言書にも負担を付けることはできますが、契約である死因贈与の方が確実性が高いと言えます。

贈与契約に負担を付ける場合は契約書に次のような一文を入れます。

 

第〇条 乙は本件財産の贈与を受ける負担として、贈与者の妻遺言書花子(昭和15年3月3日生)が死亡するまで同人と同居し、その生活費、医療費等を負担し、身辺の世話をしなければならない。

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