遺産分割協議証明書について、遺産分割協議書との違いや作成法、どのような場合におおすすめかご説明しております。
ひな形もご紹介。ダウンロードしてご利用いただけます。
遺産相続は一生の間に何度も経験することではありませんから、知らないこと、分からないことだらけだと思います。
しかしなかには、知らなかった!では済まされないこともあります。気軽に学んでいただけましたら幸いです。
2023.08.19終活30秒講座vol.173より
遺産分割協議証明書とは、相続人が話し合って決めた遺産の分け方を記した書面のことです。
遺言書がのこされていない場合の相続手続きでは、遺産分割協議(相続人の話し合い)で遺産をどのように分けるかを決め、遺産分割協議書という書面にして銀行や法務局に提出し、相続の手続(名義の変更など)をします。
この遺産分割協議書には相続人全員が署名をし、実印で押印をする必要があります。
そのためもし相続人が大勢いて、しかもそれぞれ遠方に住んでいるような場合は遺産分割協議書を回覧板のように相続人から相続人へと郵送などで回して1人ずつ署名捺印を集める作業が必要となります。
でもこれでは時間がかかりますし、もし協力的でない相続人がいたらさらに滞ってしまうかもしれません。
このように大勢の署名捺印を集める必要がある場合には、遺産分割協議書の代わりに遺産分割協議「証明書」を作成するのが便利でおすすめです。
遺産分割協議証明書は、相続人一人分の遺産分割協議書のようなものです。
記載内容は遺産分割協議書とほぼ同じです。
遺産分割協議書
相続太郎 ㊞
相続次郎 ㊞
相続三郎 ㊞
遺産分割協議書は左のように、一枚の書面を相続人全員で作成し、署名捺印します
遺産分割協議証明書は下図のように、相続人が一人1枚ずつ作成し、各々署名捺印します。
遺産分割協議証明書
相続太郎 ㊞
遺産分割協議証明書
相続次郎 ㊞
遺産分割協議証明書
相続三郎 ㊞
遺産分割協議書、遺産分割協議証明書は書き方が厳密に決められているわけではありません。一般的には以下の項目が記載されていれば問題ありません。
遺産分割協議には、全ての相続人が参加をし話し合いをします。そして遺産分割協議書には、全ての相続人が署名をし、実印で捺印をする必要があります。
相続人は以下のように法律で決まっております。
相続人であることを証明する書面として、戸籍を収集し、遺産分割協議書に添付します。
相続人であることを証明する書面として、戸籍を収集し、遺産分割協議書に添付します。
遺産分割協議証明書のひな形です。書く内容は、遺産分割協議書と同じです。
相続人の一人が不動産と金融資産の一部、他の相続人は金融資産の残りを相続するケースのひな形でご紹介します。
下記の文例は、
*相続人国税庁花子が(1)不動産、(2)金融資産の指定割合、(3)支払い関係、(4)その他の財産を相続し
*相続人国税庁一郎は、金融資産の残りの割合を相続するものです。
遺 産 分 割 協 議 証 明 書 ※1
被相続人:国税庁太郎(令和〇年〇月〇日死亡)
最後の住所 神奈川県横浜市中区〇〇町〇丁目〇番地〇
最後の本籍 神奈川県横浜市中区〇〇町〇丁目〇番地〇
上記被相続人の遺産について、同人の相続人全員において分割協議を行った結果、各相続人が次のとおり遺産を分割し、相続することを決定した。
1.相続人:国税庁花子が取得する遺産及び負担する費用
(1)土 地 ※2
所 在 横浜市中区〇〇町〇丁目
地 番 〇番〇
地 目 宅 地
地 積 〇〇.〇〇㎡
(2)建 物
所 在 横浜市中区〇〇町〇丁目 〇番地〇
家屋番号 〇番〇
種 類 居 宅
構 造 〇造〇〇葺〇階建
床 面 積 〇〇.〇〇㎡
(3)預貯金債権、信託受益権、出資金、株式・公社債等の有価証券、共済・保険契約に関する権利、その他の債権及びその他の資産など、被相続人の有する全ての金融資産の〇分の〇
(4)被相続人の未払債務及び葬儀費用並びに遺産整理に伴う一切の費用
(5)本協議書に記載なき遺産及び債務費用等
2.相続人:国税庁一郎が取得する遺産
(1)預貯金債権、信託受益権、出資金、株式・公社債等の有価証券、共済・保険契約に関する権利、その他の債権及びその他の資産など、被相続人の有する全ての金融資産の〇分の〇
以上のとおり、相続人全員により遺産分割協議が成立したので、これを証するため本書を作成する。
令和 年 月 日
相続人 住 所 横浜市中区〇〇町〇丁目〇番地〇
氏 名 国税庁花子 実印
※1 遺産分割協議「証明書」と書きます。
※2 不動産の表記は、登記簿謄本の通りに記載します。
この遺産分割協議証明書をまとめ役の方が相続人の人数分作成して各相続人に一斉に送付し、署名捺印をして返送してもらうようにすれば、遺産分割協議書を回覧するより大分時間が短縮できると思います。
相続人が大勢で、署名集めが大変な場合はおすすめです。
この遺産分割協議証明書は、相続人全員の分が揃ってはじめて使用ができます。
遺産分割協議書を提出する際には必ず印鑑証明書と戸籍一式を添付します。
遺産分割協議証明書の場合も同様です。
遺産分割協議証明書を集まった相続人の分だけ提出しても、戸籍の記載から相続人全員の分が揃っていないことは判明しますのでご注意ください。
相続手続きは沢山の書類作成と、調べものの連続です。
役所に足を運び、戸籍の種類を調べて請求、定額小為替を購入し、宛名書きをし、協議書の書き方を調べて作成・・慣れないことばかりで、段取りよく手続きしないと全部終わるまで1年近くかかることも(;^_^A
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また相続手続きに欠かせない書面である遺産分割協議書の書き方について詳しくご説明いたします。
相続は一生の間に何度も経験することではないだけに、何から始めていいのか分からないという方がほとんどです。
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