数次相続とは?
解説と遺産分割協議書のひな形

数次相続

数次相続は、相続手続きが済む前に相続人が亡くなり、次の相続が開始した状態のことです。

数次相続の特徴と、遺産分割協議書の書き方をご説明しております。

数次相続とは

 

数次相続は、相続手続きが済む前に、次の相続が始まってしまった場合のことです。


相続手続きでは、逝去した方(被相続人)が遺言を遺していない場合、相続人全員で、被相続人の遺産の分け方を決め、遺産分割協議書にまとめる必要がありますが、

数次相続では2回目の相続の時に、1回目の相続にも併せて対応することになるわけですから、遺産分割協議書の書き方も込み入ったものになります。

 

前提として、相続人の順番についてまずご説明します。
 

法定相続人

 

相続人になる人は、法律で次のように決まっております。

常 に:配偶者

第1位:子 

第2位:親

第3位:兄弟姉妹 

※ 子や兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は、その子(被相続人からみた孫や甥・姪)が相続人となります(代襲相続

 

数次相続では2回目の相続の相続人が、1回目の相続にも併せて対応することになります。

例えば、次のような家族において、先に父親が亡くなり、次に母親が亡くなったとします。

 

父親:横浜太郎(先に逝去)
母親:横浜花子(次に逝去

長男:横浜一郎
次男:横浜二郎

上記の法定相続人の表から、一回目の父親の相続(一次相続)の相続人は配偶者+子となります。

 

一次相続の相続人

配偶者:横浜花子
子  :横浜一郎(長男)
    横浜二郎(次男)

 

しかし、この父親の相続が終わらないうちに、母親の相続が発生してしまうと、

数次相続では2回目の相続の相続人である子が、1回目の相続にも併せて対応することになります。

 

二次相続の相続人

子  :横浜一郎(長男)
    横浜二郎(次男)

 

しかし相続は立て続けに発生することはめずらしくありません。

もしも数次相続となった場合の遺産分割協議書の作成方法についてご説明します。

数次相続の遺産分割協議書の書き方とひな形

 

数次相続の遺産分割協議書の書き方を、上記の事例でご説明します。

残された相続人である長男と次男は、自分達が何を相続するかだけでなく、横浜花子の立場で、何を相続するかも決めることになります。

このような場合の遺産分割協議書の書き方のご説明となります。


一例をご紹介すると次のように書きます。

遺産分割協議書


被相続人:横浜太郎(生年月日)
死亡年月日:令和5年8月8日
最後の本籍:○○○○○○丁目○○
最後の住所:○○○○○○丁目○○

相続人兼被相続人:横浜花子(生年月日)
死亡年月日:令和5年11月11日
最後の本籍:○○○○○○丁目○○
最後の住所:○○○○○○丁目○○


上記被相続人横浜太郎は令和5年8月8日に逝去し、

その相続人である配偶者横浜花子は令和5年11月11日に逝去した。

よって相続人兼被相続人横浜花子の相続人全員で遺産分割協議を行い、被相続人横浜太郎の遺産につき、次の通り相続することを決定した。

   ・・・・

令和6年4月1日

 

相続人兼横浜花子の相続人 
 ○○○○○○丁目○○ 
 横浜一郎   ㊞


相続人兼横浜花子の相続人 
 ○○○○○○丁目○○ 
 横浜二郎   ㊞
 

 


数次相続の遺産分割協議書は書き方がこのように込み入ったものとなります。

横浜花子さんの署名も、他の相続人が代わりにしますので上記のような肩書となります。


そして更に、後に亡くなった横浜花子の相続について、遺産分割協議書を作成します。


横浜花子の遺産分割協議書の書き方は通常の相続の遺産分割協議書と同様です。

数次相続の注意点

相続人が重ならないときは要注意

 

上記の例のように、数次相続が両親の相続であれば、最終的な相続人に変わりはありません。

したがって遺産分割協議は同時にまとめて行うこともできます。


しかし、1回目が父親の相続で、2回目は長男の相続の場合などは相続人が重ならない
部分もあります。


このような場合は、それぞれの相続の相続人をまず確かめて遺産の分け方についても別々に決める必要がありますのでご注意ください。

一次相続と二次相続では、条件が異なるため、相続税の計算方法が変わりますので注意が必要です。

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