相続で空き家にしないためにはどうする?

相続空き家と遺言書

お一人暮らしのお住まいの行方がご心配なことはありませんか?

ご相続や、ホーム入所の際などに空き家にならないよう対策をしておきましょう。

\ 簡単に解説! /

空き家の問題とは

全国的に空き家の増加が問題になっております。

2018年の統計で全国の空き家の戸数は848万9千戸。

割合にして13.6%に上ります。

弊事務所のある横浜市でも、約63万戸の一戸建て住宅のうち約28000戸が空き家となっているそうです。

 

空き家は放置されたままですと地域の景観を害しますし、火災や倒壊・倒木の危険もあります。

そこでこれ以上の空き家の増加を防ぐとともに、すでに発生している空き家をどうするかが大きな問題となっております。

したがってこの空き家の問題への
対策としては、現在居住中の場合は空き家になるのを防ぐこと、既に空き家になってしまった場合はいかに流通させ、また活用を促進するかが大切です。

 

空き家の問題

● 現在居住中の場合-空き家化の予防

● 既に空き家化した場合流通・活用促進

 

相続で空き家にしないためにできること

相続と空き家
このページでは空き家化の予防について考えたいと思います。


まずは現在居住中の住まいが空き家になるタイミング
について考えてみます。


住まいが空き家になるのは主に

・最後の居住者が亡くなったとき、つまり相続のとき

もしくは

・最後の居住者が住まいを処分しないで転居するとき

ではないでしょうか。


最後の居住者が亡くなると、相続人がいれば相続人が所有者となります。

最後の居住者が処分しないで転居した場合は所有者は元の居住者のままです。


しかしこれらの状況にある所有者は、名義がまだ自分ではなかったり、あるいは現在は居住していなかったりで所有者としての自覚がなかなか持てないのではないでしょうか。


そこで放置されて空き家になるケースが多いのだと考えます。



そのような事態を予防するには

空白の期間が生じないようあらかじめ責任者を決めておくのが対策になるのではないでしょうか。

対策として次の2つの方法をご紹介します。

『遺言』と『家族信託』です。


これらの対策は責任者をあらかじめ明確にしておくはたらきがありますので、住まいの空き家化を防ぐ効果が期待できます。


順番にご説明していきます。

遺言書とは


遺言は財産の継承者をあらかじめ決めておく文書です。

遺言がないと、遺産相続により財産は相続人全員の共有状態となり遺産分割協議を経て遺産分割協議書を作成しなければ名義変更ができません。

しかし遺言があればその内容に従いすぐに名義変更できますから空白の期間が生じにくく
なります。

相続空き家と遺言

したがって遺言で自宅不動産の相続人を決めておけば、相続発生後に相続人が直ちに名義を自己のものに変更することができます。

そして売却する等適切に対処することで、空き家として放置されることを防ぐ効果が期待できます。

遺言の書き方は思いのほか簡単です。下記に遺言の一例をご紹介します。参考になさってください。

 

遺言書

 

遺言者 書き方太郎は、次の通り遺言する。 

 

1.遺言者は遺言者の有する次の財産を遺言者の妻書き方花子(昭和20年3月3日生)に相続させる。 

(1)土地  

所在 横浜市遺言書区文例通一丁目   

地番 ○○番○○

地目 宅地

地積 200平方メートル

(2)建物

所在 横浜市遺言書区文例通一丁目○○番地○○

家屋番号 ○○番○○

種類 居宅

構造 木造合金メッキ鋼板ふき平屋建て

床面積 50平方メートル

 

2.遺言者は、遺言者の有する次の財産を、遺言者の長男書き方一郎(昭和50年1月2日生)、遺言者の次男書き方次郎(昭和53年2月3日生)に各2分の1の割合で相続させる。

(1)預貯金

 遺言銀行 要件支店 普通預金12345

 文例銀行 要件支店 普通預金23456

 

3.遺言者は、この遺言の執行者として次の者を指定する。

   横浜市遺言書区書き方1-23

   行政書士法人遺言書事務所  

 

令和6年3月8日 

 

横浜市遺言書区文例通一丁目○番地○  

書き方太郎 印  

 

遺言にはさまざまな書き方があり、上記の例よりもっと簡単な書き方もあります。

また相続人がいない方が相続人以外の人に財産を遺すことも遺言で可能です。

遺言の書き方はケース別にこちらで詳しくご紹介しております。

併せてご参照ください。

家族信託


家族信託は、財産の管理処分をする権限を、信頼できる家族を受託者として託す契約です。

家族信託契約をしておくことで、ホームに転居するなどして自宅に住まなくなった場合は受託者がかわりに自宅を売却や賃貸しできますから、自宅の空き家化を防ぐことができます。

相続と空き家の対策
家族信託の概要についてご説明します。



家族信託に登場するのは次の3者です。

【委託者】財産の所有者で誰かに財産の管理を任せたいと思っている人

【受託者】財産の管理を委託者から任された人

【受益者】受託者が財産を管理することで恩恵を受ける人

典型的なのが
「自分が認知症になって介護施設に入ることになったらこの自宅を売却し、費用を支払ってほしい」というような場合です。

なおこの場合、委託者と受益者は同一人物となります。

 

 

 

住まいを空き家化しないため、これらの方法を参考にあらかじめ対策していただけましたら

幸いです。

 

 

公正証書の準備をしている間がないときの、緊急版遺言書作成法のご紹介です。

特定の相続人に全財産を渡す遺言書の書き方のご紹介です

遺言は財産の円滑の承継のために大活躍するとても重要な文書です。

事情やお気持ちが変わったら、その都度変更することも可能ですから、上記の文例などを参考に是非今のお考えを遺言に残していただきたいと思います。

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